臨床検査振興協議会

痛風の検査

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痛風の検査

痛風とは?

痛風とは、血液中の尿酸の濃度が高いことが原因で(高尿酸血症)、尿酸の結晶が関節内に析出し関節炎を起こした状態をいい、激痛を伴います。尿酸結晶は関節以外に皮下、腎臓にも析出します。
腎臓の場合、尿路結石や腎不全の原因となります。また、白血病、骨髄腫などの血液の病気(尿酸の過剰産生)や薬(尿酸の排泄低下)によっても血中の尿酸が上がり痛風を起こすことがあります(二次性痛風)。

痛風になると現れる症状は?

  • 急性関節炎
    • 足の関節が多い。
    • 腫れ、発赤を生じ、強い痛みが生じる。
    • 10日前後で軽快する。
  • 皮下の痛風結節
    • 尿酸結晶が皮下に析出したもので、耳たぶ、手指などの皮下が多い。
    • 痛みはない。
  • 尿路結石、腎障害
    • 肥満、高血圧、脂質異常症(高脂血症など)、動脈硬化症を伴うことが多い。

高尿酸血症の原因は?

高尿酸血症は、その原因により3つに大別されます。

  • プリン体を多く含む食品(ビール、レバーなど)の過剰摂取により尿酸の産生過剰がおこり血液中の尿酸値が上昇する「生産過剰型」。
  • 尿酸はおもに腎臓から排泄されるので、腎臓の機能低下や利尿薬の内服で血液中の尿酸の排泄低下がおこる「排泄低下型」。
  • 生産過剰と排泄低下、両者を備えた「混合型」。

痛風が疑われた時に行われる検査は?

血液の検査

血中尿酸値を測定するのが第一です。これ以外に、痛風に合併しやすい種々の病気の有無を調べるために腎機能、肝機能の検査、糖尿病、高脂血症等の検査を実施します。

尿の検査

蛋白尿や血尿の有無の他、顕微鏡を用いて尿に尿酸結晶がないか、腎臓の障害を示唆する成分がないかを調べます。

関節液の検査

関節液に尿酸結晶がないか顕微鏡で確認する検査します。

画像検査

超音波検査などを用いて腎臓、尿管に尿路結石がないか調べます。

高尿酸血症の治療と予防

高尿酸血症の治療・予防の基本は、肝臓での尿酸産生量と腎臓からの尿酸排泄量をほどよく保つことです。
尿酸産生量をほどよくするには食事中のプリン体(肉に多く含まれます)を過剰に摂らないことです。

尿酸排泄量をほどよくするには?

尿酸排泄量をほどよくするには以下の3点が重要です。

  1. 肥満と運動不足を解消する。インスリンには、尿酸の尿中への排出を抑制する働きがあります。肥満と運動不足の解消によりインスリンの分泌が増えます。
  2. 尿をアルカリ化する食品、たとえば野菜、いも類、海藻、牛乳などを摂取して腎臓における尿酸結晶の析出を防止する。
  3. 十分な水分を摂取して尿へ尿酸の排泄を促進する。


高尿酸血症は、高血圧、糖尿病、高脂血症、動脈硬化症(などのメタボリックシンドローム)を高率に合併し、これらが相まって腎臓内の細動脈硬化や糸球体の障害を引き起こし腎機能障害を起こすと考えられています。 すなわち高尿酸血症も含めて生活習慣病全体が総合して腎機能障害を引き起こすため、痛風の予防だけではなく生活習慣病全体の予防が大事です。

以上の事を念頭に置きながら、薬、食事療法、運動療法を組み合わせて治療や予防が行われています。

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