臨床検査振興協議会

腎臓の検査

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腎臓の検査

腎臓とは?

腰のやや上(背中側)にあり、そら豆のような形をした臓器です。大人のにぎりこぶしよりやや小さめで120~150gの重さで、左右1つずつあります。腎臓は血液をろ過して不要物を尿として排泄する働きがあります。他にも、ビタミンDを活性化して消化管からカルシウムの吸収を促進したり、レニンという血圧を上げるホルモンや、エリスロポエチンという赤血球造血刺激ホルモンを分泌します。

腎臓の検査

腎臓の検査には、尿を用いた検査や血液を用いた検査や、尿中と血液中の同じ物質を同時に測定してどれだけ尿中へ排泄されたか調べる検査などがあります。

尿検査

尿中に排泄された成分や細胞を尿試験紙や顕微鏡を用いて調べます。腎臓の異常により出てくる主な成分や細胞は蛋白質や赤血球で、これらが尿に出てくる場合は、腎疾患の可能性があります。
尿中に白血球が出てくる場合は、尿路感染症の可能性があります。

血液検査

腎臓の機能低下により、尿中に排泄されずに血中で増加する成分を検査します。
腎臓の機能低下により血中で増加する主な成分としてはクレアチニンや尿素窒素があります。クレアチニンは筋肉の中でエネルギーとして使われた蛋白の老廃物で、腎臓から尿に排泄されます。排泄に障害がある時に増加しますが、筋肉量の多い男性ではやや高い値を示す一方、痩せている人では低めになるため腎機能の評価には注意が必要です。
尿素窒素は蛋白質の代謝でできた老廃物の尿素中に含まれる窒素成分のことで、これも排泄に障害がある時に増加しますが、脱水などでも見かけ上増加する一方、蛋白摂取が少ないと低値となります。最近ではシスタチンCもよく検査されるようになりました。

クレアチニンクリアランス(腎機能検査)とは

クレアチンクリアランス(腎機能検査)とは、血中のクレアチニンと一定時間蓄尿した尿中のクレアチニンを測り、血中のクレアチニンが1分間にどれくらいろ過できたかをみる検査です。

eGFR(推算糸球体濾過量)とは

eGFRは腎臓の機能を評価する推定値です。血清クレアチニン値と年齢と性別から計算できます。GFRが60mL/分未満の状態が続くと腎臓の機能が低下していると考えられます

シスタチンCとは

シスタチンCは、子供から大人まで、いろいろな細胞で産生される低分子蛋白質です。腎機能が悪くなると血中濃度が高くなります。クレアチニンと違って性別・年齢・筋肉量や食事の影響を受けることがありません。クレアチニンと同じように、計算式で求められるeGFRcysが腎機能検査として使われています。

その他の検査

これ以外の検査には、超音波検査、CTスキャン、レノグラム(腎血流シンチグラフィ検査)、腎生検(腎臓の組織を用いた検査)などがあります。

腎臓病の多くは進行するまで自覚症状を認めないことが多く、気づかないうちに悪化します。症状を認めない人でも健康診断で発見されることがあり、定期的に検査を受けることが必要です。

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