輸血とは?
輸血とは血液中の赤血球、血小板などの細胞成分や凝固因子の補充を目的とした治療法です。日本赤十字血液センターから供給される代表的な輸血用の血液製剤には以下のものがあります。
赤血球濃厚液
大量出血や重篤な貧血などにより赤血球が不足しているときに使用します。
濃厚血小板製剤
血液の病気や大量出血などにより血小板が不足しているときに使用します。
新鮮凍結血漿
出血を止める凝固因子の補充を目的に使用します。
輸血前に行う検査
安全に輸血を行うために以下の検査を行います。
血液型検査
ここで言う血液型は赤血球の型で、A型の血液にはB型の赤血球を壊す物質(自然抗体)があり、B型の血液にはA型の赤血球を壊す物質(自然抗体)があるので、同じ血液型を輸血するのが安全です。
- ABO血液型
- Rho(D)血液型
- 不規則抗体スクリーニング※
※輸血前にABO血液型とRho(D)血液型を検査し、この型が一致する製剤を用いますが、さらに安全な輸血を実施するために不規則抗体スクリーニング検査を行う必要があります。
この検査は不規則抗体(ABO血液型以外の血液型に対する抗体)を保有しているかどうかを調べるものです。不規則抗体を持っている患者さんはその抗体と反応しない血液(赤血球濃厚液製剤)を輸血しなければなりません。
万が一、抗体と反応する血液製剤を輸血した場合は遅発性の溶血性副作用を引き起こすことがあります。
交差適合試験
血液製剤を輸血しても問題がないかをみるものです。
試験管の中で患者さんの血液と製剤の血液を混ぜ合わせて反応をみます。
感染症検査
輸血によってきわめて稀ではありますが、肝炎ウイルス等に感染することがあります。輸血前に、患者さんご自身にこれらの感染があるかどうかを調べておきます。主として行われる輸血前の感染症検査には、以下があります。
- B型肝炎抗体
- C型肝炎抗体
- エイズウイルス抗体など
この他にもいろいろな検査から状態を把握した上で輸血が適応であるかどうか決めます。
輸血後に行う検査
感染症検査
輸血によって感染症が伝播されたかどうか輸血前の検査と比較して判断します。
輸血に用いられる血液の安全性については、日本赤十字社が現在の最高水準の技術をもって検査を行うところ
- B型肝炎ウイルス遺伝子核酸検査
- C型肝炎ウイルスコア抗原検査
- ヒト免疫不全ウイルス抗体検査