出血傾向とは?
出血傾向とは、血が止まりにくくなった状態のことをいいます。 症状は鼻出血、歯肉出血、 紫斑 (皮下出血)、 過多月経、関節の痛みや腫れ(関節内出血)などがあります。
止血のしくみ
出血は、血管、血小板と凝固因子 (血を止める働きをする血液中の蛋白質)の働きにより止血されます。
- 血管が破れると血小板が、血管壁に粘着する。
- 血小板が集まること (凝集) で一時的に血をとめる。
- 凝固因子の働きでフィブリンという線維物質ができ、これらがからみ合うことにより完全に血を止める。
出血傾向の原因は?
出血傾向の原因は大きく3つに分けられます。
血小板の異常 (血小板数の減少、血小板機能の低下)
血小板数の減少は、①脾臓に取り込まれる、②血管内で壊れる、③骨髄での産生が低下する、といったことにより起きます。
血小板機能の低下は、先天性の機能低下の他に、 薬 (アスピリンなど) の影響などで起こります。
凝固因子の異常
凝固因子は主に肝臓で作られています。そのため、肝機能が低下すると凝固因子の産生も低下し凝固因子の働きが弱くなります。また凝固因子に対する抗体がある場合、先天性に凝固因子が欠乏している場合、ワーファリンを服用している場合にも凝固因子の働きが弱くなります。
血管の異常
血管の先天性異常やアレルギー性疾患、感染症、膠原病などによって血管に障害が起きることがあります。
出血傾向をみるための一般的な検査は?
出血傾向をみるための一般的な検査には、下記のようなものがあります。
血小板の異常をみる検査
- 血小板数
- 出血時間
凝固因子の異常をみる検査
- PT(プロトロンビン時間)
- APTT (活性化部分トロンボプラスチン時間)
- フィブリノーゲン量など
血管の異常をみる検査
- 毛細血管抵抗試験
- 出血時間
このうち血小板数、PT、APTT、フィブリノーゲン量は血液検査でわかります。出血時間は、皮膚(耳たぶ等)に小さな切傷をつくり、血液が止まるまでの時間を測定する検査です。
アスピリンやワーファリンのように、血が固まりにくくなる薬を服用されている場合は、医師に申し出ましょう。
血がとまりにくいと思ったら医師に相談しましょう。