糖尿病とは?
糖尿病とはインスリンの不足(1型糖尿病)、あるいは、インスリンの効きが悪いため(2型糖尿病)、多くは両方の異常のため、血液中のブドウ糖が体内で利用できなくなり、高血糖の状態になったものです。
- 1型糖尿病
多くは自己免疫疾患、主に小児と若年者で発症 - 2型糖尿病
遺伝的もしくは後天的要因、メタボを背景、主に中高年で発症
2型糖尿病は、初期の段階では自覚症状がまったくないことが多く、症状があらわれるとしても、非常にゆっくり、少しずつあらわれます。
糖尿病の合併症
高血糖の状態が、全身にいろいろな影響を与え、長く放置すると様々な合併症が出てきます。
- 目(糖尿病網膜症)
- 腎臓(糖尿病腎症)
- 神経(糖尿病神経障害)
- 感染症(糖尿病性壊疽)
糖尿病を早く見つけるためには症状がなくても検診を受けることが大切です。
糖尿病になると現れる症状は?
糖尿病になって間もない頃
- 尿の量が増える。
- のどが渇く。
- お茶やお水、清涼飲料水など1日に飲む量が増える。
- 食べているのに痩せてくる。
- 疲れやすい、体がだるい。
放置して合併症が進行してくると
- 手足がしびれる。
- 神経が麻痺して傷ができても気づかない。
- 視力が低下する。
- 尿の量が減り体がむくむ。
糖尿病が疑われる時の検査は?
糖尿病の診断は血糖値(空腹時血糖値、糖負荷試験、随時血糖値)とグリコヘモグロビン値などの検査値と典型的な症状があるかどうかなどにより判断されます。
血糖値
血液中のブドウ糖※の濃度のことです。ブドウ糖は人体に必要なエネルギー源で、高すぎても低すぎても体に良くありません。血糖値は1日中変動していますが、健康な人の空腹時血糖値は、73〜109mg/dLです。空腹時血糖が、126mg/dL以上では、糖尿病型と分類されます。
糖類には、ブドウ糖、果糖、砂糖、乳糖、麦芽糖などがあり、すべて甘いものです。
血糖値は、このうちのブドウ糖を測定しています。
グリコヘモグロビン(HbA1c)
血液の赤血球の中にあるヘモグロビンにブドウ糖が結合したものです。血糖値が高いと、グリコヘモグロビンも高くなります。一度へモグロビンと結合したブドウ糖は血糖値が下がっても離れないのでグリコヘモグロビンは、過去1~2か月の血糖値の平均的状態を反映します。HbA1c値が6.5%以上で糖尿病型と分類されます。
糖負荷試験
ブドウ糖液を飲んでいただき時間を追って採血し血糖値を測る検査です。空腹時の血糖検査だけでは見落としてしまうような糖尿病や耐糖能異常(糖尿病になりかけの状態)を見つけるのに役立ちます。
尿糖
尿中に排泄されたブドウ糖のことで、血糖値が約180mg/dlを越えると尿中に糖が出てきます。
糖尿病を治療していく時の検査は?
- 血糖値
- グリコヘモグロビン(HbA1c)
- 尿糖
- 尿蛋白
尿中に排泄された蛋白の量をみる検査です。糖尿病腎症が進行すると、尿蛋白の量は徐々に増えていきます。
血糖検査、尿糖検査を自宅で行う方法もあります
血糖値は食事や運動によって変動するため、受診された時の検査だけでは普段の状態はわかりません。
そこで、自宅で血糖値や尿糖を測って頂きその結果を診察時にもってきて頂くと、普段の状態がわかり、治療に役立ちます。
- 血糖検査は指先を小さな針で刺して血液を出し、これを手帳サイズの小型簡易測定器で測ります。
ブドウ糖が入ったお菓子をつまんで食べた後の指先の血糖検査は、避けましょう。指先の血糖検査は、指先をきれいにしてから測定しましょう。 - 尿糖検査は尿中にブドウ糖があると色がつく試験紙で行います。
グリコヘモグロビン (HbA1c)を見れば、過去1~2か月のあなたの生活態度がわかります。
検査前だけがまんしてもだめですよ!