メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)とは?
過食、運動不足によって内臓脂肪が蓄積すると、「高血圧」、「脂質異常」、「糖尿病」 などの生活習慣病を引き起こしやすくなるといわれています。 これらの生活習慣病が重複すると心筋梗塞や脳梗塞といった動脈硬化によるさまざまな病気を起こしやすくなります。 このように生活習慣病や予備軍状態が重複したものを「メタボリックシンドローム※」といいます。
※メタボリックシンドロームという言葉ができる以前は、「肥満」、「高血圧」、「脂質異常(高脂血症)」、「糖尿病」は「死の四重奏」と言われ注目されていました。「死の四重奏」をわかりやすく数値化したものが、次項のメタボリックシンドロームの診断基準です。
診断に使われる検査について
腹囲
内臓脂肪蓄積の指標として、腹囲を測定します。
空腹時血糖(値)
食事をすると血糖値は上昇します。そのため、高血糖であるかどうかは、空腹時血糖値で判断されます。正常では、空腹時血糖値は110mg/dL未満で、126mg/dL以上になると糖尿型と分類され、糖尿病が疑われます。110~125mg/dLは空腹時血糖異常で、ブドウ糖負荷試験などで正常か境界型か糖尿病型かが判断されます。
中性脂肪
体内でエネルギー源となりますが、贅肉のほとんどがこの中性脂肪であるといわれています。したがって、血中に一定以上増加すると動脈硬化がすすむといわれています。
HDLコレステロール
体内で使われなかった悪玉コレステロールを回収する役割のHDL中に含まれるコレステロールのことです。 このことから「善玉コレステロール」ともいわれます。
脂質異常の判断には中性脂肪とHDLコレステロールが用いられますが、中性脂肪の値は食事の影響を受けやすいので、LDLコレステロール (悪玉コレステロール) の値を参考にする事もあります。
最高血圧・最低血圧
最高血圧は、心臓の収縮により最も高くなった時の血液の圧力で、収縮期血圧ともいいます。
最低血圧は、心臓の拡張により血圧が最も低くなった時の血液の圧力で、拡張期血圧ともいいます。正常では、 最高血圧130mmHg未満、かつ、最低血圧85mmHg未満です。いずれかがこれを超えた場合、 異常と判断されます。
高血圧が続くと、心臓や腎臓に負担がかかり、また、血管に動脈硬化を起こしやすくなります。
その他の特定健康診査項目については、パンフレット① 健診と検査編を参照
メタボリックシンドロームを防ぐには?
メタボリックシンドロームは、食生活、生活習慣を少し改善することで予防でき、リスクの高い状態を脱することもできます。 規則正しくバランスのとれた食事と、適度な運動を実行しましょう!
食事は、腹八分目を心がけましょう
- 1日の総摂取カロリーは約1600~2000kcalです
(体格、運動量によって個人差はあります) - 薄味の味付けで油脂類は避けましょう
- 規則正しく1日3回で均等カロリーをとりましょう
外食は高カロリーで、栄養もかたよりがちです。定食を選ぶかサラダなどを一緒にとるようにしましょう。
カツ丼:約900kcal ラーメン:約500kcal
1日1万歩を目指しましょう
- 毎日の生活の中で一番取り入れやすいのは 「歩くこと」です。通勤や買い物など、できるだけ歩くことを心がけましょう!
- テレビを見ながら体操、足踏み、ストレッチ、自転車こぎなどを行うのもいいでしょう。